今回登場してくれるのは、元ハーフパイプのナショナルチーム、現在は仙台で自身の大好きなブランドvolcomストアのオーナーも務める、Burtonライダー、降旗由紀ちゃんの登場です。
幼少期よりクラシックバレエや新体操、陸上などスポーツ大好き少女だった彼女。その持ち前の行動力と明るい笑顔で、スノーボードのみにとどまらず3S(Snow Skate Surf)の世界でいつも周りに愛される人間性の持ち主。ソチオリンピック出場を惜しくも逃すがその行動力は増す一方で、2014年には仙台でvolcomストアを立ち上げる。彼女の独自の世界観と店舗立ち上げの舞台裏にせまる。
著者石崎(以下I): どうもどうも!今お店はじめて何年目だっけ??
降旗由紀ちゃん(以下F): 3年目?今年の11月で3周年かな。
I: おめでとうございます!気が早いけど。
F: いやいや、まだ3年経ってないし!
I: そもそもなんで全国数ある都市の中から仙台を選んでお店出そうと思ったの?
F: 海も山も近くてスノーボードもサーフィンも行きやすいから!
I: だよね、めちゃシンプル!考えてみると仙台レベルの規模の商業圏がきちんとあって、海も山も近くて、そしてスケートボードのカルチャーもめっちゃ深いって言ったら、仙台か札幌くらいかなぁって思いながら今日運転してきたわ。
F: そうそう、だからこの仙台でしっかり地をかためて経験を積みたいなって思ったんだよね。
I: 選手として練習に励んでて山で会ったときに、ちらっと将来お店やりたいって話したことがある気がするんだけど、前からずっと考えてたの?
F: いや、全然。ソチのオリンピックの選考決まる直前くらいかな、ちゃんと考え出したの。
I: ん?それオリンピックの選考中に考えることかな...笑?
F: オリンピックに出れなかったらお店を出そう、それか、プロサーファーになろうと思って。
I: プロサーファー!?スノーボードでオリンピックに出れるかどうかの時に、出れない時の選択肢が他にふたつもあったわけだ!それでなんでお店選んだの?
F: サーフィンは大会で結果残したりとか言っても簡単なことではないから、時間を費やすって意味ではどっちも大変なんだろうけど、お店のほうがまだ現実味があったのかな笑
I: スノーボードでライダーやってきてたわけだけど、サーフィンも選択肢に上がるくらい好きなんだね。山と海とスケートどんな感じの配分になってるの?
F: えっ、もう全部!でもスケートちょっとあれかな、滑ったら滑ったで楽しいけど痛いからなぁ。どの時間が多いかで言ったらやっぱりサーフィンかな。それでスノーボードのライダーやってるって申し訳ないけど。
I: それが良いところなんじゃない?
F: うん、だと思う。それがvolcomだから生かされてることもたくさんあると思う。
I: ライダーとして加入する前からずっとvolcom着続けてるよね?
F: 自分がずっと好きでウェアもアパレルとかも買って着てたよ。横乗りだけどおしゃれなラインとかもあって、きちんと確立してるvolcomがすごく好きだから。もう12年?13年目になるのかな。
I: ライダーからショップをやるぞってなったきっかけはなんかあるの?
F: カナダのケベックでソチオリンピックの最後の選考の道が途絶えてから、xgames行ったりしたんだけど、日本に返ってそのままエディ(volcomジャパンの社長さん)のところに合いに行って、仙台でvolcomストアやらしてくれって言いに行ったよ。
I: ん?特別にアポ取って行ったわけでもなく...だよね笑?
F: 前から冗談で言ってたんだけど、いやマジでって笑
I: でもその段階では企画書とか具体的な計画はなにひとつない状態なんでしょ?社長さんはどんな反応だったの?
F: オッケー、オッケー、いいじゃん、やりなよって笑。でもそれはエディだから言ってくれたのはあると思うけど。
I: ライダーとしてのユキちゃんを見てて人間性も知ってるうえでのことだとはわかるけど、それにしてもスゴイね、エネルギーしか感じないよ笑。
F: そこから、企画書とか収支計画とか何か月かかけて1から色々作り出した感じ、場所も決まってなかったし。
I: その書類の元になるデータなんも無いわけでしょ?
F: なんもない!なんのデータも無ければ、ほかの店の売り上げも知らないからね。ただなんとなく感覚や雰囲気で一日の売り上げこのくらいで、年間このくらいで...みたいなことをセールスのボスに伝えてアドバイスもらったりして、それを元にまたテナントの賃料とか広さとかを目途つけて。
でも新規の飛び込みで貸してくれるところってほとんどなくて。
I: 他県の若い人が突然来て貸してって言っても厳しいところも多いだろうね。
F: 何十と断られて、最終選考まで行っても結局だめでみたいなのばっかりで。それでいいと思ったところはとりあえず行ってみてた、もうこれは運と出会いしかないと思って笑
I: その辺の感覚で判断がきちんとしてて行動力があるからきちんと軌道に乗ってるんだろうね!
F: まあわかんないけど...笑。11月にオープンするっていう計画を立てて、8月までにテナントが決まらなかったら春に持ち越しかなって思ってたんだけど、最後これ決まらなかったら4月にしようと思って当たってみたところが今のお店なんだよね。
I: じゃあ今の場所に出会うためにたくさん断られてきたのかもね。8月末に場所が決まって11月オープンか...笑。ヤバいね!
F: 聖一くん(volcomストア仙台の店長)のつてとかあって、来てもらった業者さんとかもスケーターばっかりで。その中でもボウルは一番資材使ったし、ボスでやってくれてた人も現場にテント張ってずっと頑張ってくれて、みんなの助けもあってなんとかって感じかなぁ。とにかく時間が無かったから、店の図面とかもほとんど自分で書いたよ。
I: 図面を、自分で引いた?そんなことある!?
F: 外観とか、期限もせまってるし予算も限られてるしで、とりあえず自分でやってみたらできたみたいな感じ笑
I: 実は私(石崎)、山形の美大卒業してて、そういう勉強もさわりだけやってたから、その無茶さがよくわかるわ...笑
F: 結構今やれって言われても無理だけど、ありとあらゆるもの使って書いたかな。イラストレーターから、フォトショップから何から何まで。業者さんもびっくりだよね、きっと。素人が発注してきたわけだから。
I: う~んと、それは色々と大丈夫...笑?
F: いや、プロにお願いするところはもちろんあったけど、消防法から建築法とかもちゃんとやったよ。店内の什器の図面とかも自分で引いたの建具屋さんに発注して、今そのままお店のカウンターになってるよ笑
I: ユキちゃんと仙台スケーターの仲間内で家建てれるね、多分笑。